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共通言語は「お客様」。GOLD STAR受賞2社が語る、KARTEを続け・広げる運用の思想|KARTE Friends Meetup vol.43

2026年6月、KARTE Friends Meetupの特別企画として「KARTE STARにいろいろ聞いてみよう!〜GOLD STAR受賞企業 QVCジャパンさん・JTBパブリッシングさん篇〜」を開催しました。

「KARTE STAR」は、KARTE Friendsのチャレンジを表彰する年に一度のアワードです。今年で4回目を迎え、3月には東京国際フォーラムで表彰式が開かれました。今回はKARTE STAR 2026で「GOLD STAR」を受賞した株式会社QVCジャパンと株式会社JTBパブリッシングの皆様をお招きし、事前に寄せられた質問にお答えいただきました。

ご登壇いただいたのは、QVCジャパンの津隈 真歩さん、水野 稔さん、JTBパブリッシングの伊藤 洋輔さん、山田 凌也さん、森 涼美さん、安達 紗季さんの6名。運用体制や課題の見つけ方、他部署との協業、価値の社内への浸透、そして次なる挑戦まで、各社の取り組みについて具体的にお話しいただいた当日の模様をお届けします。

GOLD STAR獲得を支えた、KARTEの運用体制

QVCジャパンは、映像を通してショッピングの喜びを届ける「マルチプラットフォーム通販企業」。24時間365日テレビショッピングを放送する専門チャンネルの運営を中心に、年間約2万点以上の商品を取り扱っています。

一方のJTBパブリッシングは、ガイドブック『るるぶ』を発行する出版社。登壇したメディアコミュニケーション部は「るるぶ&more.」「るるぶKids」「るるぶ+(プラス)」といったオンラインメディアを運営する部門です。

ここからは、事前に寄せられた質問ごとに各社から語られた実践的なノウハウや回答の内容をご紹介します。

どのような体制や会議体を設けて、KARTEを運用していますか?

QVCジャパンでは、大きく4つの会議を軸に運用している、と津隈さん。短期的な施策に関しては週1回、プレイドのプロフェッショナルサービス「PLAID ALPHA」のメンバーと施策担当者がオンラインで進捗確認とフィードバックを実施しているといいます。

中長期の施策については、隔週でPLAID ALPHAのメンバーとマネージャーが進捗を確認します。要件が複雑な施策では、対面で要件定義やアイデア出しを行い、四半期に一度はデジタルストアヘッドへ成果を報告して、KARTE運用の方向性について目線を合わせているそうです。

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株式会社QVCジャパン Digital Store 津隈 真歩氏

JTBパブリッシングでは、3つのメディアそれぞれにデジタルマーケティングの担当者がつき、基本的には各担当者が自らの裁量でKARTEを運用している、と山田さんはいいます。「週に一度、各メディアの編集部や運営チームとの定例ミーティングで、施策の進捗などを共有しながら、共に歩んでいる形です」と伊藤さん。運用チームは、メディア担当3名にマネージャー2名を加えた5名体制です。「KARTEは部内に広く浸透しており、すでに『共通言語』になっている」と付け加えました。

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株式会社JTBパブリッシング メディアコミュニケーション部 デジタルマーケティングチーム リーダー 山田 凌也氏

CX向上を起点にした「課題の特定」と「優先順位付け」

行き当たりばったりな運用を防ぐために、課題の見つけ方や優先順位のつけ方はどうしていますか?

QVCジャパンでは、VoC(お客様の声)や社内からの要望、毎月のKPIチェックを通じて、いま何が必要かを判断しています。「収益性を高く見込めて、かつ小さく始められる施策を優先しています。一方で、CX(顧客体験)も大事にしていて、『収益性の面で効果を見込めること』、そして『お客様のネガティブな体験を変えられるかどうか』、この2つの観点から施策の優先順位をつけています」と水野さん。あわせてPLAID ALPHAとも協働し、開発ロードマップをプロダクトバックログとして整理しているといいます。

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株式会社QVCジャパン Digital Store 水野 稔氏

「JTBパブリッシングも、KPIを軸に施策を回しています」と森さん。たとえば「るるぶ&more.」では、年度のはじめに目標を設定し、PVや回遊率などの数値を月ごとに管理します。「年度の目標に対してKARTEでどんな施策ができるかを考えますし、逆に『KARTEを使ってこんな目標を達成できそう』という発想で目標を設定することもあります」と続けます。優先順位はCXの改善を重視しており、「全画面接客は規定のパターンや必要な施策だけに絞るという共通認識を持っている」とのこと。URLにKARTE経由とわかるパラメータを付け、そのURLには次の接客を出さないという回数制御の工夫も共有されました。

続いて、安達さんから「るるぶ+」の事例が共有されました。KARTE Datahubから毎日抽出されるデータをもとにした管理シートで、WebとアプリそれぞれのUUやアフィリエイトの実績を管理しているといいます。「週1回のミーティングで実績を確認し、目標に足りないところはどういう施策を打つべきかを話し合っています」と安達さん。

なお他部署からの要望は、両社とも担当チームがいったん集約してから管理表に転記する運用をとっているそうです。

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株式会社JTBパブリッシング メディアコミュニケーション部 るるぶ+チーム 安達 紗季氏

さまざまな機能を活用し、「成果」への道筋を拓く

現在の状態に至るまでに、どのような試行錯誤がありましたか?

QVCジャパンの津隈さんは、かつての課題として「長期的に資産となる改善に取り組みたいと思いつつ、その日の売上最大化など短期的に成果が出せるものを優先していたこと」を挙げます。その転換点となったのが、KARTE Datahubの導入でした。「必要なデータがすべてKARTE Datahubの中にある状態をつくれたことで、施策の幅が広がりました。

特に大きかったのが、レコメンドアイテムにKARTEを活用したことで、マーケティングツールにかけるコストを効率化しながら、KARTEの売上貢献金額を可視化しやすくなったことです」。加えて、KARTEの案件を一手に担うチームを明確にしたこと、導入から10年を経て社内の習熟度が上がったこと、ルールブックの整備、そしてPLAID ALPHAとの契約による加速も、変化を後押ししたと振り返ります。

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KARTEを導入して3年目に入ったJTBパブリッシングの森さんは、「初期は施策の数が少なく、成果が良いのか悪いのかわからなかった。相場のCTRを教えてもらってもメディアの色によるので、評価が難しかったです」と当時の悩みを振り返ります。

手応えをつかんだ施策が、「『ユーザー情報変数』を活用した接客」でした。「ユーザー情報変数」とは、ユーザーの行動履歴などに応じてイベントを引き、その変数に応じて接客を出し分けられる機能です。「るるぶ&more.」では、宿泊予約サービス「るるぶトラベル」へ誘導するポップアップに活用しました。

年末年始のタグがついた記事を読んだ人には、年末年始向けのホテルを。「桜」「お花見」などのタグがついた記事を読んだ人には、春の旅行予約を。こうした出し分けを1つの接客にまとめ、ステートで切り替える形で構築しました。「つくるのは難しかったですが、CTRがかなり良くなり、成果の確信を得られたタイミングでした」と森さん。「コードを書いて自社仕様にカスタマイズするのが難しい部分は、AIにコードをつくってもらう使い方もしています」とも明かしました。

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株式会社JTBパブリッシング メディアコミュニケーション部 EC販促・旅する本棚チーム 森 涼美氏

「るるぶ+」では、アプリのリリースと同時に始めた回遊施策が転換点になりました。当時300〜350あった記事ごとに接客をつくるのは現実的ではなく、そこで活用したのがアクションテーブルです。「『この記事を見た人には、この記事の閲覧を促すポップアップを出す』というリストを管理しておけば、接客一つで350記事すべてで自動的にポップアップを出し分けられます。この施策により、回遊率が向上。大きな手応えがあった施策の一つです」と安達さんは語ります。

他部署からの「何かできない?」に対し、常に「結果」で答える

他部署との協業体制は、どのように構築しましたか?

QVCジャパンの津隈さんは「一番必要だったのは、信頼してもらえるだけの実績とプレゼンスでした」と語ります。「『KARTEを運用しているこのチームなら、無茶苦茶なことはしないだろう』『障害が起きた時に時間を顧みず対応してくれるだろう』という信頼と、KARTEで何ができて何ができないかという具体的な認識を示すことで、IT部門からの信頼をもらえたと思っています」。加えて、「同じ目的の仲間である」という共通認識と協力部署が追いかけるKPIへの理解が、協力を得やすい体制構築につながっているといいます。

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「常にKARTEを『選択肢の一つ』として意識することが重要だと感じている」というのは、JTBパブリッシングの森さんです。他部署からの相談があった際には「(その相談に対して)KARTEを活用して何ができるか」を考え、打ち手を提示し続けることで、徐々に信頼関係を構築。それが、スムーズな連携につながっているといいます。

「たとえば、楽天やAmazonの大型セールに合わせて、書籍のセールをやっていることをお知らせするポップアップを掲示する施策。これは、他部署から寄せられた『何かできないの?』という相談を受けて実施した施策です」と森さん。「このように、『何かできないか』と言われた時、すぐに『KARTEを活用してこんなことができる』と示し続けることが、他部署との信頼関係をつくることにつながっていると思います」と述べました。

CXを向上させる取り組みの価値を、どのように社内へ浸透させましたか?

QVCジャパンの水野さんは、「抽象的な思想」と「具体的な施策」の2つのレイヤーで回答しました。思想面では、上司から「物販ECにおける売上は、お客様が商品をお買い上げいただいた商品代金しかない。だからこそ、自分たちがやりたいことだけをやっても、お客様に選ばれなければ立ち行かなくなる。商品を見つけやすく、出会いやすく、気持ちよく買える体験を提供し『また買いに来たい』と思ってもらうことこそが自分たちの役割であり、何よりもCXを重視してWeb上でお客さまにネガティブな体験を提供してはならない」という考えが常に発信され、チームや社内に浸透しているといいます。具体面では、KARTEが生み出す収益をわかりやすい数字で示すことに加え、A/Bテストでの成約率の差など、短期売上だけに頼らない成果を資料で伝える工夫をしているそうです。

さらに「実店舗に置き換えた場合、お客様はどういった体験をするのか」という視点を軸に、ポップアップなどをつくる際のルールやテンプレートを社内に配布し、体験の質をそろえてきました。10年かけて積み上げてきたルールブックは、備考を含めて70ページに及ぶそうです。

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JTBパブリッシングの伊藤さんは、「出版市場の環境変化が、CX向上に向けた施策の価値証明を後押ししたのではないか」と語ります。顧客一人ひとりのニーズが多様化・細分化する中で、「KARTEを導入したことによって、PVや回遊率、送客数やクリック率も伸ばすことができた。その事実が、取りも直さず価値の証明につながったのだと思います」と述べました。

また、早い段階で経営層を巻き込み、「オンラインロードマップ」として全社戦略に落とし込んだことも大きかったといいます。「社長が社内外で話すとき、度々オンラインロードマップについて説明するんです。そうすると、必然的にKARTEの話にもなる。そうしたことの積み重ねによって、じわじわとCX向上に関する施策の価値が浸透していったのだろうと思っています」と伊藤さんはいいます。

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株式会社JTBパブリッシング メディアコミュニケーション部 副部長 伊藤 洋輔氏

AI活用と知の継承。GOLD STAR受賞2社が描く、これからの展望

未来に向けて、チャレンジしたいことは何ですか?

JTBパブリッシングの山田さんは、「事業」と「人財」の2つの観点から、これからの挑戦を挙げました。事業面の中心は、AIとの連携強化。「記事のデータをAIに学習させることで、その記事を読む人ごとのニーズを分析するなど、より突っ込んだ形でユーザー属性ごとの行動の理解に努めたいと考えています」と展望を語りました。

人財の面では、KARTE導入時からチーム編成も変わり、KARTEに触れたことのないメンバーも増えています。そうしたなか、森さんは「これまで培ってきた知識をしっかりと継承し、成果を出し続けるための情報基盤の整備を進めていきたい」と意気込みを述べました。

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QVCジャパンが掲げる今後のチャレンジは4つ。「チャネルをまたいでお客様に届く多種多様な通知の全体最適化」「お買い物額に応じてポイントが付与される仕組みである『QVC POINT CLUB(QVCポイントクラブ) 』の活性化」「多岐にわたるクーポンのオペレーション改善」、そして「AIを活用した価値ある体験づくり」です。

「お客様から寄せられたレビューのAI要約で、初めてAIを活用したお客様とのコミュニケーションを実現できました。今後、より良い体験をお客様に提供するためのAI活用法をPLAID ALPHAの皆さんと一緒に模索していきたい」と水野さんは締めくくりました。「まだ質問は尽きませんが、続きはこのあとの交流会で」という司会の案内とともに、GOLD STAR受賞企業の実践知が惜しみなく共有されたセッションは幕を閉じました。

その後は、軽食とお酒を囲んだ交流会を実施。GOLD STARを受賞した2社の皆さんに、積極的に質問を投げかけたり、KARTE運用についてディスカッションしたりする姿が見られました。

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KARTE Friends Meetupでは、KARTE Friendsを対象に、KARTEの最新機能や実際の活用事例について共有しています。KARTE Friends同士やプレイド社員との交流の機会も設けておりますので、みなさんのお越しを心からお待ちしております!

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